今Netflixで話題になっている「浅草キッド」を日曜日の夜、酒を飲みながら観た
もともとビートたけし原作の『浅草キッド』を劇団ひとりが監督・脚本を担当しNetflixで映画化されたものだ
僕が「浅草キッド」を初めて知ったのは2、3年前
ビートたけしが紅白歌合戦で「浅草キッド」を歌っていた
これは紅白じゃないけどね
その紅白で初めてこの歌を聞いたとき、涙を流した
歌で涙を流すなんて初めてだったんじゃないかな
はじめてコンビを組んだ相方が夢を諦めて芸人を辞めるときのことを歌った詩だ
軽い言葉でまとめると、まさに青春という詩だけど…本当に美しいし、人生をいろいろと考えてしまう
オジサンになって高級車を乗り回すことは、若いときに軽自動車で好きな女の子を乗せてドライブすることには絶対に勝てない (by Sugiyama Atsushi)
若い時と年老いてからでは感受性が圧倒的に違うのだ
コロナ禍前は毎年生徒たちをカンボジアに連れていかせてもらっていた
今は行けなくなってしまったが、自分のことながら本当に価値あることを体験させてあげられたと思う
若ければ若いほど死なない程度にチャレンジングなことをしたほうがいい
時々、食いっぱぐれないように手に職をつけるために、という観点だけで大学選びをする生徒がいるが僕は個人的に反対だ
その職業についてどんな人生を歩みたいのかをまともに考えずに、ただ食いっぱぐれないために仕事を選ぶなんて、そんな人生楽しいのだろうか?
人生は無駄があってなんぼ、無駄こそが人生を彩ると僕は考える
効率だけを考えれば、短い時間でお金をたくさん稼げることが「勝ち」かもしれない
でもそれだけで本当にいいのか?
お金をたくさん稼ぎながら、無駄という彩りをどんだけ増やせるのかが人生では重要だ
生徒たちには小さくまとまってほしくない
話を「浅草キッド」に戻そう
そんなふうに「浅草キッド」のことを歌の方面から知っていたのだけれど、著書があることは知らなかったし、そしてそれを原作とした映画が公開されるやいなやすぐに僕は見ることにした
ネタバレを避けるために詳細は省くが、ビートたけしとその師匠の関係を描いた物語だ
思っていた「浅草キッド」ではなかった
もちろんいい意味で
一番はビートたけし役の柳楽優弥の演技がすごすぎた
演技がうますぎる
演技指導はあの松村邦洋らしい
本物に見えるほどだった
そして、主役よりも主役だった、師匠役の大泉洋だ
師匠の不器用な性格を見事な表現力で演技していた
そして何より、監督の劇団ひとりの熱量が伝わる作品だった
僕は一体何が言いたいのか。笑
生徒には無駄を味わえれる人生を歩んでほしいと言いながらも
自分は本当に無駄を楽しめているだろうか、無駄を大事にしているだろうか
そんなことを考えさせられた映画だった